顧客への支援を自社にも活かして好循環を生む(株式会社アドテクニカ)

株式会社アドテクニカ(静岡県静岡市)が販売する安否確認システム「安否コール」は、直感的な操作と普段使いできる機能が特徴で、上場企業や大規模病院などで多くの導入実績を持つ。同社ではこの「安否コール」を販売する傍ら、顧客へのBCP支援も積極的に行い、顧客とのコミュニケーションの中で生まれた有効な対策は、自社のBCPにも取り入れながら顧客と自社のBCPを日々磨き上げている。

同社が取り組むBCP

同社は「非常時に顧客サービスを止めない」、「お客を主導できる」をモットーとして、社長自らがBCP対策委員会の陣頭指揮を執っている。従業員にBCPの取り組みを周知徹底するためにマニュアルを整備し、「安否コール」の機能を使って情報やドキュメントを共有している。また、従業員を静岡県BCP指導者養成講座に参加させるなど、会社全体としてBCPに対する意識高揚を図っている。
災害時には、マニュアルで幾つかのサテライトオフィスを設定してあるので、出社できない従業員はそこに集結する。また、昨年1月にはテレワークシステムを導入し、災害時の対応方法も決めた。社有車は普段からガソリンを満タンにしておき、停電時には発電用に使えるよう備えている。さらに、社長の自宅を会社近辺にして、有事の際に会社のオフィスとして開放する準備を整えている。

イベント性を持たせ、避難訓練の「やらされ感」を払拭

毎年4月に実施している避難訓練では、従業員の「やらされ感」を払拭するため、イベント性の高い様々な工夫を取り入れている。避難場所である近所の小学校までの移動も、損壊しそうな建物や危険な場所を従業員同士で確認をしたり、河原に移動して炊き出しを実際にやってみたりするなど、楽しく参加できる工夫を考えている。
また、毎年8月にはマニュアルをブラッシュアップする。昨年、浜松市で台風24号の被害により最長3日間の停電が続いたが、こうした他地域での被害も自社の課題としてBCPの見直し課題に加えた。

静岡県は将来想定される大規模地震への不安もあり、BCPの意識が高いと言われるが、同社も地元で生きる地域密着型企業として、社長自らPTAや町内会のイベントに参加して地域の防災普及活動も行っている。

「安否コール」とは・・・
災害時に、最初にすべきことが「従業員の安否確認」だ。緊急時には、誰でも簡単に操作ができ、被災状況を把握する管理機能も求められる。そんな中、上場企業や大規模病院などで多くの導入実績を持つのが「安否コール」。携帯メールを利用し従業員に一斉通報する仕組みで、直感的な操作&管理方法も大きな特徴。

株式会社アドテクニカ
事業内容:ソリューション営業、ウエブサイト制作、システム設計・開発
本社:静岡県静岡市
社員数:40人(平成31年3月現在)

関連記事